読んだもので書いてない読書メモまとめてどーん

読書メモっていっても思い出して書いてるからメモじゃないかも
パチンコがアニメだらけになった理由(わけ)
安藤 健二
4862485081

某パチンコファンに借りて読んだ本。ネットでも話題になったから読んだ人も多かろうが、なかなか興味深い本であった。どちらも共に斜陽産業であるパチンコとアニメ制作が結託してサバイブしているってのは予想していたどおりだけど、一番感銘を受けたのはパチンコ化するアニメを選ぶところ。当たり前だけどただ売れているアニメを手当たり次第に版権勝手パチンコにしているわけではない。パチンコ制作会社はパチンコ化しやすいアニメに話を持っていくのこと。要するにバトル要素が強くてパチンコの演出になじむものってことなんだけど、これって完全にゲームデザインのためにふさわしい物語を探すってことで、最近の私のテーマに非常になじむ。しかも現在のパチンコは完全にただの電子ルーレットになっているから、ゲームのシステム自体をデザインすることはほぼできない。あるのは演出、演出、演出。これってジャンル化の極みにある和ゲーと同じじゃんと納得しました。だからかー!一部のスパロボとか和RPGはとかコンボゲーとか弾幕STGのパチ臭さはクサさだけではなく、コアの部分に同じものがあったのだ。つまり、「ゲームはこれまでと同じで良い。必要なのは派手な演出だ!」というよくもわるくも日本のゲームデザインのあり方を図らずも抉った本でした。
音楽のカルチュラル・スタディーズ [単行本]
マーティン・クレイトン トレヴァー・ハーバート リチャード・ミドルトンほか 若尾裕
4903951405

かなり前に読んだ。論集であるわけだから個別のことまでここでかけないが、正直あまりいい訳ではない。アルテスさんはこういう本を訳してくれるのはうれしいのだが、正直出来がすこしわるい。自分はこの原著を大学のゼミで読んだのだが、そもそも良くない論文もあるけど、全体の趣旨を訳者らが理解していないのではないかというところがちらほら。なによりも原題が「The Cultural Study of Music」って「カルチュラルスタディーズ」にあえてしていないことをあまり踏まえていない。ミドルトンの書く序論を読めば、90年代以降のニューミュージコロジーやカルチュラルスタディーズにこの本が一定の批判的立場や距離をおく姿勢が分かるはずだ。だからこそイアン・クロスのような進化論と音楽の関係のような今までのカルスタではありえない視点があるのに・・・良い論文だけまたこんどコメントしたいが、論文の内容をゆがめる日本語サブタイトルはやめていただきたい。
教養としてのゲーム史 (ちくま新書)
多根 清史
4480066233

これは最近の新書。ようやくこの手の本が出てきたかという日本のビデオゲーム文化なのであるが、まあよくも悪くも新書としての新書。そもそもゲームのことよく知っている人にとっては当たり前のことしか書いてはないが、それでもなにかゲームについて書く時、ブログを引用するのではなく、こうして書籍になっているものを引用できるのはありがたい。それが書籍化される意義だが、参考文献リストくらいは欲しかった。