差別と侮辱

なんだか事の発端は良く知らないけど最近のはてなの中で話題になってることでさすがにコレは違うよってことは書いておく。
差別ってのはあるカテゴリーの平均的な特性とか偏見的な特性によってある個人を評価するってことであって、そのカテゴリーへの個人的な評価とかそういうのは関係ない。自分は反社会的(というか要は法を犯している)ような職業以外には職業差別的な感情はまったくないと思うけど、知人がソープ嬢を始めるとかホームレスを始めるとか言ったなら止めるように説得する。それは職業差別とはまったく関係ないもんで、単にそのような生き方が楽ではないからである。だってソープ嬢にしろホームレスにしろ大変なのは確かである。ほかにお金を稼いだり、生きていくことができるならそのような選択肢を選ぶ必要なんてないでしょう。もちろん現状を見た上でソープ嬢でしかやっていけないと言うならばそのような選択肢に対して反対することはないけど、そうではなければ違った方を進めるのは当然だろう。そしてこれが別に職業差別ではないことはまっとうな頭がある人なら分かることだと思う。もちろんその待遇の悪さにも関わらずセックスワーカーであることが自らの誇りであるならば、その生き方に対してとやかく言う筋合いがないのである。ただ知人がセックスワーカーになるとか言い出すことに対して、それを止めるように説得するだけで職業差別とか言いだす輩はどうかしている。差別って意味を分かってない。
あとセックスワーカーに対して差別意識がないといった人に対して「で、結婚相手はソープ嬢?」って聞いてキレられたとかいう性格の悪い人が「差別意識がないのなら怒ることないじゃないか」とか正論じみたことを言っているが、これは間違いである。侮蔑表現というのは意味論のレベルで判断されるのではなく、常に語用論的、つまり言語行為的に判断されるものである。たとえ職業差別意識がないと公言している人に対してにでも職業差別意識がある人が「で、結婚相手はソープ嬢?」と聞くのは明らかに無礼である。人種差別意識が無い人に対して「ってか在日だからねー」って差別意識がある人がいったなら、それは明らかに無礼であるのと同様に。