今週末のいろんなこと

発表ラッシュもなんとかこなして、イロンナイベントゴトにいってきた。
まず金曜に齋藤芽生さんの展示のオープンニングにエスコートして借り出された。実際にはタダ飯を食らう人だったけど。でも斉藤さんの新作はやはり面白かった。ペットボトルやトロフィー、日本の蛍光灯の輪っかとか日常的に触れているけど美的には見ることのないものへの彼女の視点と画面への取り込みは面白い。戦後日本の生活的な視覚体験を濃密に凝縮したようだ。しかしギャラリーなるところはなれないし、堤清二の献花とかあってちゃんとした美術の現場の雰囲気はライブハウスのような場所よりもフォーマルな感じが否めない。もっと居やすくあってもいいけど。
それからその日は渋谷のシアターNのUSハードコア・フィルム・フェスで
ウィ・ジャム・エコノ:ストーリー・オブ・ミニットメン
ミニット・メン
B000HEV9PY

を見てきた。なによりも亡くなったボーカルのD・ブーンの巨体がギターを弾きながら飛び跳ねる姿が印象的だ。日本での知名度が低いのにこのルックスが影響してないかと疑うほどデブだ。しかし、USのハードコア、オルタナ文化のさまざまな有名人からリスペクトを受ける彼らの音楽のすばらしさは唯一無比だと思う。シンプルでありながら、思いもよらないフレーズやリズムで描かれる音楽はたしかにハードコア的な要素はあるけど、それにもとどまらないユニークさがある。アコースティックでやってたのもかなりよかったし。音源を集めたいと思う。
次の日は東大の駒場祭でいろいろ写真を撮りながらみた。なんだか独立行政法人以降、学園祭に外部の人たちの参加が目立つようになった気がする。コマモルフォーゼとか東大GIGとかいいイベントも結構増えたけど、学生がやってるからこその面白さが伝わるようなイベントが無いする気がするのがさびしい。別にいいイベント自体は外でやっても行くんだから、学園祭は学生が何か面白い試み、それも仲間内だけでもないし、流行ものマネだけではない、ともかく暇な学生が素人ながらも何かを本気で、それに無駄にこころみる中で生まれる創造性とかに引かれるのだが。
そういった意味で今日言ってきた外語大の学園祭での映画研究会のイベントは非常に元気があってよかった。Melt-Bananaを輩出したこのサークルは映画と何にも関係なく、アナーキな音楽のちょっとした牙城となっている。現在の部長さんは水中、それは苦しいアナーキー吉田として、さらにノイズ絶叫バンドの悲鳴のドラマーであり、副部長さんは悲鳴のヴォーカルだ。なんだかよくわからん機関紙とかも発行してて、ミドリのボーカルの子のグラビアとかだったのも面白い。もうちょっといい印刷だったら買ったんだが。各国料理が売っている外語大の学園祭自体もそれなりに魅力だが、変な音楽のリスナーとして外語大映画研究会の活動は興味深い。今後もがんばってほしい。
あと前々から気になっていたnhhmbaseをはじめてお目にかかれた。短いセットだけど、彼らの音楽の独特さを再認識した。基本的にエモの流れにいるバンドだと思うけど、極度にシンプルにされた曲と意外な展開が生み足す魅力はもうなんていったらいい音楽ともいえない。最初聞いたらいったいどこの演奏が曲を構成しているかわからないほど、極端に音数がすくない。と思えば突然の絶叫とギターの轟音と激しいドラムが来て、すぐにまたとまったり。最近になって正式な音源が出たが、ちょっとこのバンドはライブじゃないと魅力が伝えにくい気がするのでまだ買ってない。視聴してみてよかったら買いたいんだけど。
あとおもしろかったのはなぜかドラムの両脇で椅子にギターとベースが座ってなされるグラインド・コアみたいなGreen Milk From The Planet Orange。彼らはアメリカでのツアーをしてきたらしいけど、その演奏力は確かで、ドラムのブラストもかっこいいし、ギターの早引きもすごい。それに曲もいろいろな要素がある。今日とはちがったサイケっぽい曲もやるらしい。
あとかなりのイロモノバンドであったATARIMAEDANOCRACKERSも面白かった。基本的にドラム&ギターだけの2ピースでやる昨今では珍しくなくなった形態ではあるが、そのキャラとMCの作りこみは徹底していた。ある意味、某バンドサークルの夫婦バンドと似ているけど。ボーカル&ギターの男子高生とその妹という設定の女子高生ドラムっていう編成だけど、妹のやる気のなさっぷりというか、ライブ中一貫してしかめっ面だったり、ケータイをいじったりするパフォーマンスは貫徹していた。もちろん衣装は学生服とセーラー服。今後の活躍が気になる。