とりあえずメモ

コレだいぶ前に読了。
プラグマティズムの思想
魚津 郁夫
4480089624

日本ではあまり馴染みがないプラグマティズム思想の入門書。ウディ・アレンなんかの小説なんて読んでると、実存主義とかと並んでプラグマティズムがギャグのネタに使われるほど、アメリカなんかじゃまあそれくらいの認知どあるけど、日本では西田哲学への影響とかともかくあんまりピンとこない思想的流れである。本書はそれらの流れをパース、ジェームズ、ミードなど代表的な思想家の思想を紹介することで分かりやすく解説している。ローティーには結構厳しい批判をしていた。
今まで、パースの記号学とかデューイの美学が一緒くたでプラグマティズムってのはなんで?とか思ってたけど、コレですっきりした。パースはプラグマティズムという言葉の生みの親なんだが、基本的に論理実証主義ていうかまあ科学者なんだね。検証不可能な命題は排除すべきというサバっとした人だけど、ジェームズがその後、検証不可能なものもその有用性からプラグマティズム的思考に取り込んだってことだ。なんかカントがアンチノミー論で排除したものをまた導入した新カント派みたいな関係みたいだな。なんつーか必ず哲学ってのは形而上的なものを排除したあと、またそれを取り込む人がいるもんだと。