勉強というか夏の読書

藤田先生からの宿題でアリストパネスの蛙を読んだ。
ギリシア喜劇〈1〉アリストパネス〈上〉
アリストパネス 高津 春繁
4480020616

ギリシア喜劇〈2〉アリストパネス 下
アリストパネス 呉 茂一 村川 堅太郎
4480020624

読んだのは岩波文庫版だが、これはどっちに入ってるのかな。文庫は図書館で借りた。
読んだは読んだのだが訳が古い上に、そもそもアリストパネスの喜劇は当時のギリシアの悲劇から政治に関する話題や語呂合わせ、モジリなどがそこら中に散りばめられていて、わかるもんもわからんのであります。ディオニソスとクサンティアスが鞭で打たれるシーンは面白かったけど。
自分の研究に関連することで言えば、『蛙』のクライマックスであるアイスキュロスソフォクレスの対決が、文学におけるパロディー的批評のもっとも古いものとして描かれている。ブルデューが『芸術の規則』中だったかで、「文学作品の中において文学作品が言及されるのは、その《界》の自律性が高くなったひとつの指標」とかいうことを言っていたが、『蛙』の中では様々な先行する詩が引用されるけど、詩の価値は基本的には教訓的なことや、道徳的なこと、政治的なこといった詩の外部によって判断されるのが特徴的だと思った。まあギリシア人には我々が言うところの『文学』なんてもんは無いのだが。