daily practicesについて

今回は研究というよりももっと日常的な雑務に関して考えたことを述べたい。
このプロジェクトの全体についてはhttp://d.hatena.ne.jp/shinimai/20071217/p1もしくは、このカテゴリを参照。


まず予め断っておくと、効率の良い人生などと考えてしまうと、死にたくなる。効率の良い日常は手段であって、良き人生とは何かはよく分からない。よって以下は普通の生活を営む上で、最小限やらなければいけないことを達成するための考え方についてである。
「やらなければいけないこと」といっても実は難しい。「汝はいかになすべきか?」は実践的問題で倫理的問題であるが、普通にこの現代社会に生きていれば、飯を食べるとか、ゴミを出すとか、買い物するとかがそれに相当するだろう。もちろん呼吸を続けなければ死んでしまうが、自律神経がそれをやってくれるので無視してよい。その他、健康な状態であれば自然に欲求がでること、つまり食事をするとか、眠るとかも、無視してよい*1
で、おそらくそういった高次元な実践的問題と、低次元な欲求に動かされることを取り去ると、「日常的にやれなければいけないこと」を大まかに下のように分類できるように思う。


日常的にやらなければいけないこと

  1. 単発タスク:牛乳を買う
  2. 繰り返しタスク:火曜日に可燃ゴミを捨てる
  3. スケジュール:2008/12/25はクリスマスパーティー

これらの用語は私が定めたもので一般的なものではないので、説明が必要だろう。
1の単発タスクとは、要するに一度達成すると消え去るものである。多くの日常的な雑務はそういったことばかりである。図書館に本を返したり、卵を買ったり。
次の繰り返しタスクというのは、文字通り繰り返し発生するタスクである。タスクの内容が社会とか会社とかによって管理されている場合にこういったことは起こりうる。例えば、ゴミの日は自分では決定できないが、周期的に訪れる。公共料金の振込みとか引き落としもそうだ。もちろん引き落としは自動に行われるが。アルバイトのようなものもコレに入るだろう。場合によっては社会とか会社とかに管理されるのではなく、自らに繰り返しタスクを課すこともあるだろう。例えば、筋トレを毎日行うとか。しかしながら、自らに課す繰り返しタスクは、そのタスクを行うか否かという選択を毎回問われるわけであるから、これを管理するのは要するに意志の強さの問題である気がする*2
これらをあわせてタスクと呼ぶこと自体はそんなに異論はないと思う。しかしながら、日本語でうまく表現できないのはちょっと悔しいけど、まあ仕方ない。
次にスケジュールであるが、これは他の二つとは趣が異なる。なぜなら明確に時間が指定されている種類のもので、その多くは人との関係において管理される。要するにアポイントなどをとった時、それはただ単に達成するのではなく、相手との約束において達成しなければならない。20日5時に約束したことを、早く終わらせることはできないし、遅くしようとすれば相手に申し訳ないし、それを通達する義務が発生する。さらに多くのスケジュールは時間だけではなく、場所も指定される。


これらの区別は純粋に便宜的なものであって、存在論的な違いはない、とid:tanakaxは主張している。私はあまり抽象的に考えなかったので、これらの違いがごく自然なものだと思っている。しかし、彼によればすべては「行為」というカテゴリーに属しており、それらの違いは規範性の程度に過ぎないという。確かに私が思うに規範性に関して、タスク<スケジュールという違いがある気もする。なぜなら、スケジュールはその相手にも影響を及ぼすことであるが、単発のタスクは、それが達成されなかったら自分に被害があるだけのように思える。ぶっちゃけいえば、単発タスクは次の日に持ち越すことが用意に可能であるが、スケジュールはそういうわけにいかない。


実は「やらなければいけないこと」には他にもあるように思える。例えば「5キロ痩せる」のような目標のようなもの、「食器を買いたい」のような希望と規範が合わさったものなど。しかしながら、話がややこしくなるから、そういうのはとりあえず考えない。あくまでも日常的なレベルでの「やらなければいけないこと」に関しては以上のように区別するのが、便宜的には良いんではないかと思っている。そしてこの三つを区別した上で管理することが、daily practicesにおいて肝要であると思う。
次回、具体的にこれらの三つの管理の方法を考えてみることにする。


追記:
3のスケジュールに関しては、バッティングが起こるという特徴に気付いた。1や2のタスクは基本的にはバッティングということは起こりにくい。ありうるのは処理するタスクが多すぎてできないという状況だと思う。タスクは場合によって次の日に見送ることができるものが多いし、その場で判断できる場合が多いが、スケジュールは前もって情報をやりとりする必要がある。
要するに、タスクとスケジュールの区別は結構重用だと思う。

*1:とはいえ、これらのこともそれなりに実践的に悩むことは多い。食事だって何を食べるかを選択しなければいけないし、人間は自然に眠れるとは限らない

*2:もちろん会社に行くのだって意志の強さを試されるわけであるが、自らで自らを律する意志の強さとは違うと思う