『響苑』第五号の感想というか、その前に言いたいこと書いたら多くなっちゃた(笑)

http://d.hatena.ne.jp/shinimai/20070402/p1でお伝えしたイベントで配っているフリーペーパー(ミニコミ誌?同人誌?)を読み終えたので感想など書いておきます。
まずその前に、何でライブ・イベントでこのような冊子を配るようになったのかってこと、我々のイベントの特徴とか自ら思い返して書きたいと思います。そもそもですねー、オレはフツーのライブハウスの対バン形式のライブが嫌いなんですよ。ライブとかあまり行かない人には伝わりにくいけど、4つか5つかのバンドが出て、客が来て、ライブハウスに金払って清算して、打ち上げするみたいなアレのことです。そりゃすでに実力があったり知名度があったりするバンドとかが出たりするんだったらいいんだけど、アマチュアやインディーのちょっと毛が生えた程度のバンドが集まってるそういうのは、大概において一つのバンドの友人、知人だけがそのバンドを見て、あとはただ別のバンドと客が入れ替わるだけで終るっていう。何のために対バンしてるかっていうと、単にライブハウスに払う金を分割するだけというか、ワンマンで客呼べないというか。そして、そもそもライブハウス側も身に来てくれるオーディエンスをお客さんだと思っておらず、出演するバンドをお客さんだと思っている節があるというのが一番、嫌いな理由。また逆に言えば出演するバンドもチケットを売る気がなかったりして、単に友人にあげてたりする。これはある意味でバンドブーム後に過剰供給されたライブハウスという場所の構造的問題なんかもしれないが、なんというか日本の生で聞く音楽文化のダメな特徴だと常々思ってきたわけであります。
だから、そういうフツーの対バンやなんかにはほとんど出ない。その代わりに自らがイベントの主催者になって、出演バンドをちゃんと選び、来てくれたお客様を楽しませる代わりにちゃんとお金を取ろうと。そして最終的に赤字にならないようにトントンで清算して、お客さんにも全てのバンドを見て満足して帰ってもらおうと。そういう考えで毎回やってきて実際に殆どアカを出さずに(というか黒字分は打ち上げで使ってしまっているわけだがw)しかもある一定の動員をはじき出して(最高100人越え)やってきたわけです。出演者のバンドはプロの場合も多いけど、アマチュアが主催しているイベントとしてはこのようなことは多分、稀だと思う。というかまあ、プロとかアマとかはどうでもいい。広い意味での内輪ノリっていうか、知人と知人が知り合ったり、広がったりするようなイベントを心がけてきたというのは確かだ。
話がゴチャゴチャしてきたが、そういった側面でこの配っている冊子は何なんだといえば、これはもともとアンケートだったんです。そうそうこれもフツーの対バンとかでよくあるんだが、出演バンドがアンケートを織り込んだりして「今日の演奏はいかがでしたか?」とか書いてもらうことはよくある。自分たちがやったことがどのように評価されたり、見られたりしてるかを知りたいというのは確かにパフォーマンスをする側としてまっとうな意識だと思うんだけど、結局アンケートが返ってくることが少ないし、帰ってきても「面白かったです」とか別に意味があるわけではない。自分たちも初期はアンケートをまじめに作ったりしていたけど、結局、その無意味さに気づいてどんどんアンケートの方向性がお客さんに何か書いてもらうというよりも、俺らバンドが言いたいことを書くという形式になっていた。というかなんつーかアジビラっぽくなっていったのだ!
これはまあ考えれば当たりまえのことで、何もお客さんは知らないバンドとかを批評したくてライブハウスに来てわけじゃないんだ。だからいちいち「ドラムの演奏技術が足りず、曲のコンセプトを伝えきれていない」などの的確な批評は貰えない。そもそもそんなことを期待するほうが間違っている。お客さんはただ楽しみたいんだ。だからその楽しみをより向上させるためには、アンケートよりもアジビラや読み物を提供したり、バンドのコンセプトを自ら説明したりした方がいいんじゃないか。そんなわけでどんどんビラが厚くなって冊子になったわけだ。内容もバンドやイベントの主催者だけじゃなくて、様々な人に書いて貰うようになった。結果として、イベントがただのお祭りではなく、印象的にも物質的にも残るようになったというわけだ。というかこのフリーペーパー『響苑』が本体なのか、ライブ・イベント自体が本体なのか分からなくなってきた感があるけど(笑)。
まあ今日はこの辺で、具体的な今回の『響苑』の感想はまた書きます。