最近いろいろ考えてたり、書いたりしていたことの背景読書

イデオロギーとは何か
テリー イーグルトン 大橋 洋一 Terry Eagleton
4582762816

を読了しました。表紙は思想家、顔当てクイズに使えます(笑)
かなり大きな主題を縦横無尽に扱っただけに簡単には消化できないが、このところプライベート、パブリック両方の様々な問題について考えるのに非常に刺激になった。どうも言説の表面だけに踊らされている観があるネット上の様々な議論――下流社会問題、ムハンマド風刺画問題、非モテ問題――などについて冷静に考えてみるきっかけにもなるんで。
特に興味を持ったのはイデオロギー理論と精神分析理論の類似性とか。ラカンとかほんと以前からぜんぜんわからんかったけど、すこしは興味を持ってきた。
あとニーチェポストモダン思想に与えた悪影響なども。公正無私なのと客観的なのは違うんだよ!
さらにカノセさんが遡って読んでくれた自分の文化に関する考え方にもイーグルトンの考え方は深く影響を与えたと思う。
http://d.hatena.ne.jp/kanose/20060309/culturediscrimination
というかここまで自分のエントリをちゃんと読んでくれたのは非常にうれしいけど、自分の論が一貫しているかどうか不安だったからhttp://d.hatena.ne.jp/shinimai/20060304/p2では昔のエントリをリンクしませんでした。このエントリは確かに自分では「中二病、高ニ病へのレクイエム」シリーズの3としたかったのは事実であります!
とにかく、侮蔑的な表現や差別的な表現がどこまで許されるべきかということについてイデオロギーディスクールといった側面で考えてます。文化的な価値の相対論をユートピア的に諸手を挙げて支持するのはやはりどっかおかしいという気がしてならないし、ネットではそのような相対論の絶対的な価値を主張する意見が多い気がします。