拘束のドローイング9@シネマライズ

もう少しで終わるので急いで見てきた。マシュー・バーニーの映画?というか作品は見逃すといつ見れるかわからんので。
拘束のドローイング9 サウンドトラック
ビョーク
B0009V1G1W

上はサントラ。バーニーは意識的だと思うが、自らの作品を商品とすることを制限しているんでサントラが出ただけでも異例かも。
以前クレマスター3を見ただけで、この拘束のドローイングシリーズはまったく見たことがなかったが、やはり圧倒的な完成度ですごかった。
バーニーの作品はなんというか夢をそのまま映像化したようなもので、はっきりとした物語があるわけでも無いし、かといって荒唐無稽なわけでもない。まさに無意識をそのまま提示したかのようで、その背後にあるものを語ろうとする要素はたくさんあるのだが、それをやっちゃうと精神分析の二次加工のようなもんで自らの欲望を語ってしまいそうでいやだから、なんとも語りにくいやっかいなものである。
まあそれでもあえて考えると今回のテーマはやっぱ日本人の自分としては捕鯨問題に尽きるような気がする。あまり自分の考えを開陳するのはやっぱりイヤだが、この映画を欧米人や環境保護団体がどのように解釈するかはやはり興味深い。そのことについて気になったシーンは

  • 多用される毛皮
  • 告発的なコミュニケーション手段としての茶道

などであるが、どこまでバーニーの意図かは謎だ。前者についてはまあ多分意識してのことだと思うが、後者は茶道文化が町人が武士に対して行う象徴的な告発であるということとを、日本人が西洋人に捕鯨文化について申し立てするという構造を意識しているかはちょっとわからん。
まああんまり考えずにボーっと見ても魅力的なのがやはりすごい。