メゾン・ド・ヒミコ@飯田橋ギンレイホール

晴れてギンレイホールのグループ会員(一年間見放題!)に参加したので見てきた。
メゾン・ド・ヒミコ 特別版 (初回限定生産)
オダギリジョー 犬童一心 柴咲コウ
B000CC1DTS

ゲイの老人ホームを作った父と、その父に母とともに捨てられた娘との間のセクシャリティと家族の問題の葛藤を、老人ホームの日常とともに淡々と描いた映画。
淡々と葛藤を描きながらも挿入される微笑ましい日常がいい味を出しているいい映画だったが、前半が若干タルかった気がする。非日常に迷い込んだ主演の柴崎コウの困惑ぶりが、微妙に演出過剰で子供っぽく思えたことと、柴崎が通う事務所の日常の風景と非日常のゲイの老人ホームの対比をもうすこし丁寧に描いてほしいところ。
ただ後半から展開、ゲイであるオダギリジョーと柴崎の擬似的な恋愛や、家族とセクシャリティの葛藤による対立などの展開はなかなか見ごたえがあった。そのような問題に明確な答えを出すことなく、諦念とともに人間のやさしさやわがままを葛藤のまま終わらせる結末の展開は好感が持てる。
なかでも後半、ゲイの老人ホームでお盆のシークエンスが示唆的でおもしろい。お盆という日本の伝統的家族的制度の行事を、自らのセクシャリティを優先した結果、家族を捨ててきたゲイの集団が忠実に行っている様は、この映画の示す根本的な矛盾を象徴的に表してるといえよう。
あと見所としては個性的な役者や、その役者を彩るカッコイイ衣装であるが、ゲイのみなさんがあそこまでオシャレだといいなとは思ったが、現実はそうでもないだろう。俺も夏になったらオダギリジョーみたいなコーディングスのトラウザーのようなきれいなカッティングのパンツと、白いシャツにサンダルを合わせてリゾートっぽくすごしたい。まあ俺はサンダルより下駄のほうがシックリくるのだが。