読書

暇つぶしに本でも読もうかと生協で物色するも、目標とする音楽未来形―デジタル時代の音楽文化のゆくえがなかった。というか未だにこの手の本は探しにくい。まず美学のコーナーから見て、次に音楽に関するとこまわって、それから人文社会系新刊まわって、あれってメディア論関係か?とかまわってみても何処にもない。どうやら東大生協には入荷されていないらしい。駒場にならあるかもしれないが。
ってことで代わりといっちゃ申し訳ないが安かったので(これもまた失礼か)はてなのなかでも話題のこれ

嗤う日本の「ナショナリズム」 (NHKブックス)

嗤う日本の「ナショナリズム」 (NHKブックス)

を購入し、読了。
基本的に主張は以前に『世界』で読んだ2ちゃんねるに関する文章であるからすっと入っていけたけど、細かいところはなんだかいろんな論者の意見をツギハギしている気もして、2ちゃんが言うところの立ち位置系wって感じがするが北田さん的には「あえて」立ち位置系として振舞ったかんじではある。とういうか北田さんは内田樹さんのいうところのヨイショ批評が得意である気がする。いろいろな論者の意見を褒めながら自らの論を進める技術は見習いたいものである。
しかし読み進めていくうちになんだか話がわからんくなってきて最後のほうは読み飛ばしてしまった。そして一番良くわからん点は最初にセカチュー電車男を同じ現象に読むのには違和感があると主張しているのが、最後のほうはなんだか現代のサブカルチャーを受容するもの一般の心性史を書いてるような気がする。これはサブカルチャーを研究してるとよく陥ってしまう問題だが、本来的にマイノリティの心性(たとえばヘンタイよいこ新聞の受容の構造)について語ってるはずが、なんだか若者サブカルチャー一般について語ってるように見えてしまうことだったりすう。
それはそうと自分の卒論で70年代の投稿誌文化とかって強引に論を進めた部分に関してはこの本がいい参考文献になりそうで買ったかいがあるな。