明るい諦念

フローベールの『感情教育』とブルデュー『芸術の規則』の1部は一通り読了。すさまじく己の教養のなさを痛感す。フランス文学とフランス革命の歴史がある程度頭に入ってなけりゃ、細かなとこはわからん。
まあそれでも、芸術の自律化、ボードレールなどが「芸術のための芸術」を主張しなければならなくなる社会的状況などは面白く読めた。
感情教育』は面白かったというか、他人事のようにはおもえん。大概の感想ではフレドリックの優柔不断さと曖昧な感情がこの小説全体をぼんやりとしたものにしてる、みたいなこと言われてるけど、現代における何する事も可能なゆえになにも出来ない若者にとっては『トレインスポッティング』と同様な身近な感覚じゃないだろうか。そして最終的に「あのころが一番良かった」というオチは自分の好きな諦念の感覚でもある。