雰囲気商売の未来―音楽コンテンツ配信のビジネスモデル

最近音楽聴いてますか?と、聞かれても結構困る。確かに聴いているけど、非常に散漫になっている。まあ音楽を研究する以上、マジメに聴くことが多いんだけど、日常的な聴取は以前に比べて非常に軽やか(笑)になっている次第であります。で、このブリップFMのサービスは最高!
http://blip.fm/all
もう知っている人は多いとは思うけど、ツイッター的な音楽配信のサービスです。実はまだよく仕組みがわからんから使いこなしていないんだが、とりあえずアカウントを取っていろいろと試しいます。聴くだけならアカとらなくてもいいからみなさんお気軽に試してみてください。
このサービスの面白いところは、音楽の趣味が合う適当な人をフォローすることで適度に自分の趣味にカスタマイズされた音楽を垂れ流すように聴けるところです。まあ説明するのは難しいけどラジオの洗練された形と思ってもよい。
アカウントを取るところで、好きなアーティストの名前とかを3つほど応えさせられるんだけど、その答えに応じて30人のDJを自動的にフォローしてくることになる。このマッチングが結構うまくて、僕は「ヨラテンゴ」、「ギャラクシー500」とかマジで応えたんだけど(あと一つは忘れた。たしか「フガジ」にしたかな?)、確かにうまいことDJを拾ってくれる。基本的にはUSオルタナ的な曲がながれるけど、たまにクラブ・ミュージック、ジャズ、メタル、ハードコア、パンクも流れて非常にいいかんじ。だから基本的にちゃんと自分の趣味をマジメに答えたほうがいいよ。


で、本題に入ります。なんか噂によるとスターバックスの業績がかなり落ちているらしいと。まあそりゃこの食料品の値上げと不況のあおりがくれば当然だと思うし、僕もスタバよりもドトールとか利用しているタチではある。それにしてもスタバが過去に持っていたアウラがなくなったのは確かなんだろうとも思う。
要するに、現在の多くのサービス業は雰囲気産業なんですよね。だから雰囲気がなくなったらすぐに売れなくなる。こういうのポストフォーディズムとかで説明されることなんだと思うんだけど、雰囲気を売りにしようとブランディングしているから結果として不況のあおりは一番受けやすい。だって人間雰囲気よりも食べ物そのもののほうが重要なのは当然だから。
まあそれでも雰囲気って重要なんですよ。確かに。だって僕は吉野家とかで食事を済ますことは多いけど、あのBGMとか空間にはいつも違和感を感じる。日本人の感性にマッチングしているかもしれないだろうが、蛍光灯が明るくて、JPOPが流れる空間というか・・・。
だがそれでも、いくら不況になったとしても、雰囲気を求める人はいるだろう。そういう人たちを寄せるにはやっぱりBGMというか音楽が重要だと思うし、スタバなんかは音楽の販売をしているよね。こういう音楽によるブランディングはこれからのサービス業にとって重要だと思うけど、そのための一つの手段としてblip.fmはいいモデルを与えてくれていると思う。blipは将来的にどうゆうビジネスモデルでやっていくのか知らないんだけど、音楽でブランディングを行いたい会社にサービスを提供することによって利益を上げることが可能なんだと思う。具体的には、スタバなどの企業のセレクトした音楽を一つのDJからブロードキャストすることで、スタバの音楽の趣味をインターネット上のどこからでも味わえるということにしたらよいと思う。リスナーはDJ単位で音楽を聴くのだから、そのDJがなんらかの企業スポンサーについていれば、宣伝効果もあるし。


いずれにせよ、音楽のコーディネイトってたぶんこれからすごく必要とされることなんだと思う。カフェなんかいっても、インテリアにこだわっていたとしても音楽の趣味が悪かったりすると評価が下がるし。一時期なんか、カフェ・アプレミディのコンピをかけるカフェばっかりで、かなり閉口した記憶がある。客商売の人はこの辺についてよく考えて欲しい。そして場合によって音楽のコーディネイトの専門家に委託すべきだと思う。そのような音楽コーディネーターの専門家ももっと必要だろう。