チベット問題についてちょっと調べた

今回の騒動に関して、中国政府のデモ・暴動への対処の仕方、メディアへの情報の開示の態度は非難に値するが、チベットの独立・自治に関しては話は結構込み入っているようだ。
周知のとおり、チベット亡命政府ダライ・ラマ14世を指導者としてチベットの安定した自治(独立ではない)を求めて尽力してきたけど、今回のデモに関してはもとより批判的であったようだ。

本年3月10日より、中国の政策への不満を表明する目的でチベット全土のチベット人が一連の平和的なデモをおこないました。チベット亡命政府内閣は、事前にこのデモが中止されることを願っておりました。
http://www.tibethouse.jp/news_release/2008/080314_kashag.htm

そして一方ではこのようなチベット亡命政府ダライ・ラマ14世の中国に対する軟化した戦略を批判する声もある。

インドに亡命しているチベット人民間活動団体(NGO)5団体の代表者が17日、ダラムサラで記者会見し、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世が北京五輪開催を支持していることに「失望している」と明言し、ダライ・ラマが唱える中国との対話路線についても「修正が望ましい」との考えを示した。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080317-OYT1T00487.htm

要するにチベット人の間でも中国への独立か、自治かをめぐってかなりの温度差があるようだ。おそらく若い人々のほうが独立に関して強硬路線をとっており、ダライ・ラマ14世の影響力が届かなくなって今回のような騒動が起こったようだ。
なんというか情報が少ないのはともかくとしても、中国側の対処を非難してチベットの独立を煽るようなことは何というか余計に事態を泥沼化させることにつながりそうだ。はっきり言うとビョークがやったようなパフォーマンスはちょっと空気が読めてない感じがする。
http://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN200803040019.html
蚊帳の外から独立宣言とか言うのは、まあそれが音楽的パフォーマンスだったとしても、その影響力を考えるとちょっといただけない。たぶんダライ・ラマ14世と亡命政府も「アチャー…そんなこと言うなよ!」って感じだったと思うよ。
普通に考えて、現段階として中国政府がチベットの独立を認めることは考えにくいから、私としては亡命政府主導の安定した自治を望む方向がまっとうのような気がしてきた。