はてブの反応が気になったので

幼児の言語習得に関するニュースであるコレ
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0708/04/news007.html
であるが、どうもたくさんのブックマークされているわりに、分からないというコメントが多いので簡単に自分なりに解説しておく。まあこれ明らかに記事の説明が分かりにくいんだが。
今まで「幼児が生後18カ月前後に急激にボキャブラリーを増やす」という事実は知られてきたけど、それが何であるかは解明されていない。これがどれくらい急激なのかは忘れたけど、ピンカーの言語を生みだす本能〈上〉 (NHKブックス)とかに書いてあったと思う。なんか分単位に一個の単語を覚えているような驚異的なもんであったと思う。英語に苦労しているオトナが馬鹿らしくなるほど、幼児の母語の言語習得は天才的なのだ。
だからこの謎に対して、生後18カ月前後の幼児には何かドラスティックな変化があるんじゃないかと推測されてきたんだけど、今回のニュースはそのようなドラスティックな変化など無いという仮説なのだ。
その仮説はまず第一に「単語はある一定数の繰り返しを行えば習得できる」という前提を立てる。そして第二に「習得が簡単な単語と難しい単語がある」とする。その場合、簡単な単語は例えば5回の繰り返しで習得でき、難しい単語を100回で習得できるとして、すべての単語を同時に学習しているとしたら、100回目の学習で一気に語彙の量が増えることになる。ただし、これはすごく単純化したモデルなんで実際には、習得できる回数と単語の中での難易度の分布を仮定しないとよくわからない。その辺のことはこの記事からはちょっと分からないのでやっぱよくない記事だな。