著作権保護期間の延長問題を考える国民会議・第一回シンポジウム

今話題のこのイベントに行って来ましたー。国民会議ってなんかすごいね、フランス革命みたいね。ってのはともかくボランティアのスタッフの方々、本当にお疲れ様です。こんなに面白いシンポジウムはあまり見たことないよ。学会とかのシンポジウムよりはるかにクオリティが高かった。
感想を簡単に。個人的に考えても著作権が50年だろうが70年だろうが、その長さを正当化する論理的根拠ってのはほとんどないように思われる。それを半ば分かっているように、賛成派の三田誠広さんにしろ松本零士さんにしろ、そのような正当化根拠をあげるのではなく、あくまでも作家個人としてのプライドから延長を訴えているのであって、それに対して論理的に非難してもすれ違うだけであるのは目に見えている。アメリカの国策の一環としての圧力と、創作者のプライドがなんだかよくわからんとこで団結している状況をいかに解きほぐすかが重要なことであって、あくまでも創作者のプライドを保ちつつ、それとは別のところで著作権が与える経済的な影響などの議論をすべきなのである。で、その創作者のプライドとかいう問題は美学とかやってる学者が説明をするところの問題であるんだが、そういったことに切り込める人がいないのは本当に残念だ。つまりここでの対立は新旧のアーティストシップとでも言えるようなもんで、自分の創作物が100円ショップで売られたり、パブリックドメインになったりすることを喜ぶアーティストがいる一方、そのようなことを喜ばないアーティストがいるということだ。こういう対立を理解した上で、延長に反対するのなら、賛成派のそのような心性をどのように変化させるかということも政治とは別に必要だったりするんだと思った次第であります。